【動画】白いテントが建てられた跡地で追悼式が開かれた=佐々木崇暢撮影
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 京都アニメーション(本社・京都府宇治市)の第1スタジオ(京都市伏見区)がガソリンで放火され、社員ら36人が死亡、33人が重軽傷を負った事件は18日、発生から1年になった。事件後に解体され、更地になったスタジオ跡地では、追悼式が開かれた。遺族や京アニ関係者ら約100人が参列し、犠牲者を悼んだ。

 京アニによると、追悼式は事件の発生時刻にあわせ、午前10時半に始まった。遺族有志が弔辞を述べ、全員で黙禱(もくとう)。約30家族から参加した遺族や、八田英明社長ら京アニ関係者が1人ずつ祭壇に献花したという。

 八田社長は「1年前のこの日、この場所で、想像を絶する悲しい事件が起きました。優秀なクリエーターが突然未来を奪われ、無念で無念で、言葉がありません」とあいさつ。「仲間とそのご家族、そして支えてくださる皆さまと心をつなぎ、ゆっくりでも一歩ずつ進んでいく」と会社の再建を誓った。

 京アニは式典開始にあわせ、ユーチューブでも追悼映像を配信した。「あの日の悲しさを、やり場のない怒りを、ぶつけようのない悔しさを、私たちは決して忘れることはありません」などの弔電を映し、ファンらと追悼の思いを分かち合った。

 ガソリンで放火された第1スタジオ(3階建て)は延べ約700平方メートルが全焼。今年1月から本格的な解体工事を始め、4月末に更地となったが、安全などのためフェンスで囲っている。この日は、白いテントを建て、追悼式を催した。

 事件当時、スタジオ内には役員・社員70人がいた。1階の階段付近でガソリンがまかれ、放火された結果、一気に炎と煙が建物全体に広がり、多くの人が取り残された。現場から逃走した無職の青葉真司容疑者(42)=さいたま市見沼区=も重度のやけどを負って入院。京都府警は回復を待ち、5月27日に殺人や殺人未遂、現住建造物等放火などの疑いで逮捕した。同容疑者は現在、当時の精神状態を調べるため鑑定留置中。医師の見解を踏まえ、京都地検が起訴するかどうか判断する。(向井光真)

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 〈京都アニメーション放火殺人事件〉 アニメ制作会社「京都アニメーション」(本社・京都府宇治市)の第1スタジオ(京都市伏見区)が昨年7月18日午前10時半ごろ、ガソリンで放火され、建物内にいた役員・社員70人のうち36人が死亡、33人が重軽傷を負った。現場から逃走し、取り押さえられた無職の青葉真司容疑者(42)=さいたま市見沼区=も重度のやけどを負って入院。京都府警は回復を待ち、5月27日、殺人や殺人未遂、現住建造物等放火などの疑いで逮捕した。犠牲者数は殺人事件として平成以降で最多、戦後でも最悪とみられる。青葉容疑者は事件当時の精神状態を調べるため鑑定留置中で、期限は9月10日。医師の見解を踏まえ、京都地検が起訴するかどうか判断する。