拡大する写真・図版診療を再開した球磨村診療所。被災した患者の指のけがを処置した後、問診する橋口治医師(中央)=2020年7月18日午前9時8分、熊本県球磨村、吉本美奈子撮影

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 豪雨で大きな被害が出た熊本県球磨(くま)村で、唯一の診療所が診察を再開した。診察する医師は一時は引退を検討していたが、今回の被災中に地域にとって診療所がいかに大切か思い知らされ、もうしばらく続けたいと思い直した。

 18日朝、ほんの少し泥臭さが残る球磨村診療所に、診察が始まる前から患者たちが次々と訪れた。

 医師の橋口治さん(69)は、被災後はインスタント食品が多い患者に「野菜をしっかりとることね」と声をかけ、手足のむくみを確かめていった。診察を終えた女性は「病気以外でも、食生活とか色んな悩みを丁寧に聞いてくれる。診療所は私たちにとって大切な場所」と話した。

 橋口さんは「患者さんの顔色を見て、無事でいてくれたんだと安心した」と診療所の再開を喜んだ。

拡大する写真・図版診療再開した球磨村診療所。入り口前には医療器具などが置かれ、トイレもまだ使えない状態という=2020年7月18日午前9時50分、熊本県球磨村、吉本美奈子撮影

 橋口さんは、もともとは消化器内科が専門だ。熊本市内の自宅に帰ったり、診療所に隣接する住宅で暮らしたりする生活を送る。

 村が豪雨に見舞われた4日未明。球磨川からあふれた濁流は診療所に押し寄せ、人の胸の高さほどまで迫った。水が引き、橋口さんが診療所に行くと、玄関の自動扉は壊れ、待合室や廊下にがれきが流れ込み、床や壁は泥だらけ。電気と水は使えなかった。聴診器も泥だらけだった。

 その日の夜、災害対応に当たっ…

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