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 「感染リスクはあるし、自分が他人に感染させる可能性もある」。J1が制限付きで入場者を迎え始めた11日。競技場周囲で聞いたサポーターの言葉が残る。

 このサポーターは観戦を待ち望んでいた一方で、悩んだという。栄養士という職業柄、普段から衛生面を注意し、新型コロナウイルス感染予防にも気を配る。それでも大勢がいる場。万が一、他人にうつすような事態があったら――。予防対策を徹底しても、足を運ぶことに迷った。

 試合を運営する側も、葛藤する。あるJクラブの運営担当は、観客を入れる試合の再開を「総論は賛成したが、感染拡大防止の観点からすると、反対した」。いつも現場にいる立場から、リーグやクラブに意見した。無観客なら経営に直結する一方、サポーターの安全面が危惧される。スタジアム内の飲食店など地域とのつながりやスポンサーの生活もある。保健所の指導も受けて対策に奔走したが、心配を抱える。

 新型コロナの感染が拡大するなか、Jリーグは8月からアルコール販売を認めるなど、さらに制限は緩和される。様々な立場の一人一人がより高い意識をもった行動を求められる。(堤之剛)