幼なじみバッテリー、秋Vの原動力 最後は自己最速更新

飯島啓史
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(18日、福島独自大会 光南2-0学法福島)

 2点を失った三回裏。学法福島のエース辻垣高良(たから)君(3年)は依然、2死一、二塁のピンチに苦しんでいた。捕手の梅田誉希(ほまれ)君(3年)が駆け寄った。「ストレートに切り替えていこう」。静かにうなずくと、渾身(こんしん)の直球でゴロに打ち取り、窮地をしのいだ。

 第1シードの学法福島。辻垣君は梅田君とバッテリーを組み、昨秋は公式戦9試合を1人で完投。89三振を奪ってチームを県大会優勝に導いた。

 二人は神戸市出身で、保育園からの幼なじみ。中学でも同じ野球クラブに所属し、ともに甲子園を目指そうと当時の指導者の紹介で学法福島へ進んだ。

 梅田君がピンチで直球を提案したのは、「球が走っている」とミットで感じたからだ。ぐわんと手元で伸びる感覚があった。直前に自己最速よりも5キロ速い143キロが出ていた。

 この日は、昨夏4強の光南・国井飛河投手(3年)の緩急を交ぜた投球に、学法福島の打線は振るわなかった。辻垣君は三回以外を0点に抑えたが、0―2で敗れた。

 卒業後、辻垣君はプロを目指し、梅田君は関東の大学で野球を続けるつもりだ。「2人で野球をするのは最後か。もっとやりたかったけど、思い切り試合ができてよかった」。辻垣君はそう考えながら、肩をふるわせていた梅田君に笑顔で「泣くなよ」とだけ声をかけた。(飯島啓史)