3人だけの3年生、3様の活躍 強豪破り「現実なのか」

中川壮
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(19日、長崎独自大会 長崎西 2-1 創成館)

 試合終了後、スタンドに一礼して顔を上げると、喜びがあふれた。長崎西の3年生は入部最初の頃から3人きり。主将の吉村懇(こん)遊撃手、伊藤志佑(しゅう)太(た)二塁手、山下堅士朗投手。いつも話していた「3人で歴史に名を刻む」目標が、甲子園交流試合に出場する創成館を相手に現実となった。

 「先制点が一番でかかった」と吉村君が振り返る。

 二回、山下君が味方の二塁打で、一塁から一気に生還。三回には吉村君が右前安打で出塁し、すかさず二盗。打者伊藤君で試みた三盗が捕手の悪送球を誘い、2点目のホームを踏んだ。

 山下君は強打者が居並ぶ相手打線を、直球とカーブ、チェンジアップの緩急を巧みに用いて手玉に取った。7四死球を与えながらも被安打4に抑え、九回129球を投げ切った。

 「現実なのか。3人で頑張ってきて、やっと最後に良い結果が出た」。3人は学校で、部活以外でもいつも一緒にいる。強豪チームに勝ちたいと、よく話したものだった。

 九回裏、2死無走者から1点を失いなお一、二塁。「これが強豪の粘りかと思った」と伊藤君。「でも不安な気持ちはなかった」。力投を続ける山下君らチームメートを信じていた。吉村君がフライを捕ってゲームセット。その瞬間は「めっちゃうれしかった」。

 3人はまだ満足していない。吉村君は言った。「優勝をめざす。達成するまで気を抜かずに取り組む」(中川壮)