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 東日本大震災の津波で浸水した岩手県釜石市片岸町で、がれきをエネルギー源にしたシイタケ栽培工場「アグリ釜石」を経営してきた金属加工会社オーテック(北上市)が、同事業の経営悪化で7月末で工場を撤退させる。復興に向けた誘致企業の一つとして支援してきた釜石市が16日、発表した。

 アグリ釜石は、オーテックが2012年4月に大阪市の家電受託製造会社の協力で立ち上げた。両社は11年10月に釜石市と立地協定を結び、木質がれきをボイラーの燃料にして発生させた温水や電力で菌床シイタケを生産・販売し「150人の地元雇用」と「年5億円の売り上げ目標」を掲げた。

 しかし、がれきの供給不足でバイオマス発電が進まず、シイタケ栽培の売り上げはピーク時約5千万円、雇用も最大15人にとどまった。最後の従業員8人は今年3月末に全員解雇され、操業も停止していた。

 オーテックは、撤退スケジュールや土地賃借料の支払いをめぐり、地元の百人以上の地権者らと紛糾が続いている。市は今後、オーテック側に土地賃借料の残金支払いなどを求めるとともに、地権者らと今後の土地利用を検討していくという。小原勝久社長は取材に対し、「ぎりぎりの経営努力をしてきた。がれきの放射能問題で政策変更などもあり、計画通りに進まず、無念で申し訳ないと思う」と話している。(本田雅和)