拡大する写真・図版丸橋さん一家が犠牲になった土砂崩れの現場には、「丸橋」のシールが貼られた農作業用のカゴがあった=2020年7月19日午後2時20分、熊本県津奈木町福浜、恵原弘太郎撮影

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 記録的な豪雨で65人が犠牲となった熊本県で、土砂や濁流にのまれた二つの家族。行方が分からなくなっていた妻や息子の死亡が先週、相次いで確認された。ようやく家族が一緒になれた――。そう言って遺族や知人は悲しみをなぐさめ、故人をしのんだ。

 熊本県南部を記録的な豪雨が襲った4日。津奈木(つなぎ)町では土砂崩れで住宅が押し流され、丸橋勇さん(85)が見つかり、死亡が確認された。行方が分からなくなっていた妻ミチ子さん(83)と長男貴孝(きよたか)さん(58)もその後の捜索で見つかり、亡くなったと発表されたのは14日だった。

拡大する写真・図版丸橋勇さん

 親族によると、丸橋さん夫婦は隣の芦北町出身。勇さんは大手鉄鋼メーカーに勤め、兵庫県尼崎市で暮らしていた。1995年の阪神・淡路大震災で被災した後、親族が暮らす津奈木町に移り、農地を手に入れミカン農家に。「ミカン山から天草が見える。景色がいいんだ」と、うれしそうだったという。

 不知火海を照らす夕日を浴びながら歩く2人の姿を、地域の人たちはよく見かけた。旅行に散歩、夫婦はいつも一緒だった。

 最近、体調を崩したミチ子さん…

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