約5千年の歴史を有するハンコが、日本で盛んに使われだしたのは比較的最近のことらしい。16世紀の戦国時代、署名よりも簡単に、多くの「公文書」をつくれるのが武将たちに好まれた。名前以外にも「天下布武」といった言葉を使うことで、何より自分たちの権威を示すことができた。
ただ、必ずしも本人が押したとは限らない。武田信玄が隣国の北条氏家臣に宛てた書状にある押印は、信玄の死を隠すカムフラージュに使われたという。「ハンコの文化史」(新関欽哉著)に出てくる。
コロナ禍は、歴史のある「ハンコ大国」に大きな変革を迫っている。
安倍政権は、17日に閣議決定した今年の経済財政の運営方針「骨太の方針」に「書面・押印・対面」の慣行見直しを盛り込んだ。ハンコを押すためだけに出社する「やむなく出社」の原因となり、在宅勤務(テレワーク)を妨げているためだ。
拡大する政府は押印や書面規制の見直しを進めている(写真と本文は関係ありません)
「まるでブラックジョーク」。経団連幹部が振り返るのは4月、加盟社にマスクの寄付を募ったときのことだ。大手企業の多くは新型肺炎SARSが2002~03年に流行した際、感染症対策として医療用「N95マスク」を備蓄していた。医療現場に贈るため呼びかけると、2週間ほどで約160社から約120万枚のマスクが集まった。
さっそくマスクを届けようとし…
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