コロナ治療法「申し訳ないぐらい少ない」 急な重篤化も

有料記事

阿部彰芳 瀬川茂子 月舘彩子 編集委員・辻外記子
[PR]

 水面下で感染を広げ、ときに感染者を一気に重篤に追い詰める。昨年12月に出現した新型コロナウイルスは国内でも猛威を振るい、ダイヤモンド・プリンセスの乗船者を合わせ1千人を超す命が奪われた。特効薬はまだなく、治療法も限られる中、その多くが高齢者に集中する。感染が再び拡大すれば、死者が増えることは必至だ。

 3月上旬、名古屋市立東部医療センターの長谷川千尋・感染症センター長は、入院3日目の80代男性に繰り返し尋ねた。「息苦しくないですか」。「苦しくない」と男性は答えた。

 新型コロナ感染症は初め軽症と診断されても、病状が急速に悪化することがある。その際、肺炎がかなり進行しているのに、呼吸困難などの自覚症状が乏しいことも珍しくない。

 男性は新型コロナウイルスに感染し、入院当初は発熱ぐらいで会話もできた。だが、翌日から血液中の酸素濃度が下がり、鼻に管をあて酸素吸入を始めたが、酸素濃度は上がらない。3日目には、普通なら息苦しさを感じるぐらいのレベルまで悪化したものの、苦しさは訴えずに翌日、意識を失い亡くなった。

 男性には心筋梗塞(こうそく…

この記事は有料記事です。残り2261文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら

新型コロナウイルス最新情報

新型コロナウイルス最新情報

最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[もっと見る]