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 産めない、育てられない何らかの事情がある時、中絶は正当な選択肢の一つです。それなのになぜ、あんなに苦しまなければならなかったのか。無責任なパートナーや心ない医療従事者の言葉に傷ついた人、「女性だから」と痛みに寄り添う負担を強いられた人。三つのエピソードから考えます。

 〈地下鉄清掃員の女性(58)は駅のゴミ箱で成人向けDVDをよく目にします。ジャケットの「中出し」といった言葉を見るたび、やりきれない思いがこみ上げると言います〉

 30代半ばで中絶を経験しました。還暦近い今、ようやく経験を話そうと思えるようになりました。

 当時、3歳上の彼と交際していました。海外経験が長い、ヘアメイクアーティスト。プロの劇団員としてフルタイムで働いていた私は、多忙ながらも大好きな仕事をずっと続けたいと思っていました。前の夫と離婚したばかりで、付き合いたての彼とすぐに家庭を築くことは考えられず、コンドームをつけてと毎回頼みました。

 でも、数えるほどしかつけてくれなかった。「妊娠したら産めばいい」が口ぐせ。子供がほしいという思いを押しつけ、私の気持ちには向き合ってくれませんでした。性感染症予防も頭にないようでした。

 交際から4カ月で妊娠しました。相談しようと初めてクリニックを訪れたとき。医者から「産むにせよ、おろすにせよ、タイムリミットがあるので一刻も早く方針を決めてほしい」と冷たい口調で告げられた。決断を迫られ、息苦しかったです。

記事後半では、自身の中絶経験を機にネットで情報発信を始めた女性、同僚の中絶手術に付き添った日のことを考え続けている女性、2人が経験を語ります。

 おろしたいと彼に伝えると、怒…

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