清水大輔
韓国で6月末、指導者らから暴行を受けたと告訴していた女子トライアスロンの有力選手が自殺した。韓国のスポーツ界では近年、性的暴行やパワハラなどが続いており、五輪メダリストらも被害に遭っている。日韓のスポーツ文化に詳しい専門家に、問題の背景や日本のスポーツ界に向けた教訓を聞いた。
韓国メディアによると、亡くなったのは元国家代表のチェ・スクヒョンさん(22)。自殺する直前の6月26日、SNSで母親に「あの人たちの罪を明らかにして」とメッセージを残していたという。
「あの人たち」とはチェさんがかつて所属していた慶州市庁トライアスロンチームの監督や先輩選手らだ。韓国のテレビ局などは、生前のチェさんによるとされる録音データを伝えた。監督や健康管理を担っていたスタッフらがチェさんに対し、「3日間、何も食べるな」と命令する声や「歯をかみしめろ」と指示したあと、平手打ちしたとみられる音などが残されていた。
チェさんの死後に国会で記者会見した同僚選手らによると、チェさんは数年前から、炭酸水を飲んだという理由で、監督らからパンを吐くまで食べさせられるといった暴行を日常的に受けていた。今年2月には警察に監督らの問題を告訴し、4月にはアスリートの保護を掲げる公的機関などにも訴えていたという。
こうした経緯が明らかになるに…
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朝日新聞国際報道部