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 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が20日、オンラインで記者会見を行い、日本で子どもがスポーツ活動中に暴力に遭っているという調査報告書を発表。「スポーツにおける暴力に反対する五輪憲章にも反している。来年の東京五輪・パラリンピックまでに、状況を変える責任がある」と指摘した。

 HRWは3月から6月にかけ、国内でアンケートとインタビューを実施。アンケートでは、スポーツ経験のある25歳未満381人のうち、19%が「殴られた」「蹴られた」などの経験があると回答したという。

 報告書には、埼玉県の高校の元野球部員(23)の「監督からあごを殴られて、口の中が血だらけになった」という指導者の暴力のほか、上級生からの暴力、罰としての過剰なトレーニング、髪を切らされた精神的苦痛、性虐待などの実態が書かれている。

 国内では、2012年に大阪・桜宮高男子バスケットボール部主将が、顧問から受けた暴力などを理由に自死した事件以降、競技団体は暴力根絶に向けた動きをみせてきた。だが、HRWは「これまでの改革は、順守必須のルールではなく任意のガイドライン」とし、児童虐待防止法を改正し、児童虐待の定義にスポーツでの暴行、暴言を含めるべきだと提言。日本政府に、スポーツにおける虐待問題のみを扱う独立機関の設立などを求めた。

 HRWは1978年に設立され、ニューヨークに本部を置く。09年に東京オフィスが開設された。