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 新型コロナウイルスの影響で、今年の子どもたちの夏休みは短い。臨時休校による学習の遅れを取り戻そうと、各学校が休み返上で授業を行うためだ。松山市立の小中学校では20日、1学期の終業式があったが、来週には授業日が控える。いつもより短い夏休みを、どう活用するか。

 「学校がある時にはできないことにチャレンジする夏にしてほしい。短い分、より熱く」。そう語るのは、NPO法人えひめ子どもチャレンジ支援機構の事務局長、仙波英徳さん(66)だ。

 今年は新型コロナの影響で中止したが、毎年夏、宇和島市の無人島で9泊10日のサバイバルキャンプを催してきた。小学5年から中学3年までの子どもたちが、電気もガスもない島で生活する。不便な環境を知ることで日常の生活がいかに便利かに気づき、異なる学年の仲間と協力して課題を乗り越えることで自信が持てるようになるという。

 仙波さんは夏休みを「学校で経験できない体験をする期間」と位置づける。「社会にはいろんな価値があると気づく良い機会。今年は我慢しなくてはいけないことが多いかもしれないが、それぞれの家庭で話し合って普段できないことに挑戦して」。また、人と物理的な距離を保つことが求められる時期だからこそ、「心の距離」はより密にしてほしいという。

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 夏休みは「受験の天王山」でもある。大手学習塾「寺小屋グループ」市駅教場中学部(松山市)の河野康彦教場長(53)は、「春の臨時休校中に学習習慣や生活リズムを崩した子が多かった。夏休みに入り、まとまった自由時間ができることで、再びリズムを崩してしまう可能性がある」と警鐘を鳴らす。

 高校受験を控える中学3年生にとって、夏休みは「目標を設定し、計画的に学習する『受験生』に早くなることが大切」。だが、今年は新型コロナの影響で、例年7月下旬にある高校見学会が8月にずれ込むなど、「受験生になるためのきっかけがつかみにくくなっている」という。

 高校見学会を通じて目標への意識を高めつつ、テストなどであぶり出された弱点は、必要に応じて1、2年生の学習分野に戻ってでも学び直してほしい、とアドバイスする。

 また、節目となる大会が中止になるなど、部活動に力を入れてきた生徒たちは不完全燃焼に陥りかねない状況にある。河野さんは「部活動で養った継続力を発揮して、学力が大きく伸びるケースも多い。気持ちをいかに切り替えるかも重要だ」と指摘する。

 一方、大学入試に臨む高校3年生について、河合塾マナビス松山市駅校の岡部崇校舎長(42)は「これまでの夏と、やるべきことはあまり変わらない」。県内の高校普通科の多くは例年、7月末ごろまでと8月のお盆の後に補講があるため、7~8月の登校回数は変わらないという。

 大学入学共通テストが導入されるが、「思考力などが問われるため難度は上がる。だからといって夏からあれこれと手を出すのではなく、土台となる基礎知識を固めるべきだ」と話す。(寺田実穂子、伊東邦昭)