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 文部科学省の私立大学支援事業をめぐる汚職事件で、東京医科大に次男を合格させてもらったとして受託収賄の罪に問われた同省の元科学技術・学術政策局長、佐野太被告(60)ら4人の公判が20日、東京地裁であった。検察側は法廷で、佐野元局長が大学側から便宜を図るよう依頼を受けた場面とされる会食時の録音を再生。佐野元局長が大学側に「よろしくお願いします」などと話す音声が流された。

 音声は、佐野元局長が同省官房長だった2017年5月、同大理事長だった臼井正彦被告(79)らと会食した際の会話を録音したもの。同席したコンサル会社元役員の谷口浩司被告(49)=受託収賄幇助(ほうじょ)罪で起訴=が無断録音していた。

 佐野元局長が浪人中の次男について「またよろしくお願いします」と述べると、臼井前理事長は「来年は絶対大丈夫」「あと5点、10点欲しい」と発言。佐野元局長が「今度は勉強してやります」と言うと、臼井前理事長は「ぜひぜひ、もううちに予約しておいでになって」と応じた。

 佐野元局長は被告人質問で、会話の趣旨について「『大丈夫』が優遇を意味しているとは全く思わなかった」と主張。「検察の主張は曲解。私の発言は合格するように頑張らせるという意味だ」と反論した。

 録音では、佐野元局長が便宜を図ったとされる私立大学支援事業への言及もあった。佐野元局長は臼井前理事長に担当者を紹介すると述べ、「私の名前は絶対に言わないでほしい」と発言。谷口元役員も「私が一緒に行けば記録を残さずに済み、佐野さんに迷惑がかからない」と話した。(根津弥)