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 新型コロナウイルスのワクチンを開発しているオックスフォード大のチームが20日、人に投与する初期の臨床試験(治験)で安全性と免疫反応を起こす効果が確認されたと、英医学誌ランセットで発表した。病気から身を守る効果が十分かどうかを調べるには、より大規模な治験が必要だが、グループは「有望な結果だ」と期待している。

 今回の結果は3段階ある治験の初期のもので、英国で4~5月、新型コロナにかかったことのない健康な18~55歳を対象にし、1077人が参加。ワクチン候補の投与を受けた28日後には、9割でウイルス感染を防ぐ中和抗体反応が確認された。ウイルスに感染した細胞を攻撃するT細胞による免疫反応も、投与の14日後をピークに著しく高まることが確認された。7割が疲労感や頭痛を経験したが、深刻な副作用は確認されなかったという。

 チームは早ければ9月にも実用化するとの見通しを示してきたが、サラ・ギルバート教授(ワクチン学)はこの日の会見で、「画期的成果だが、やるべきことはまだ多い」「(実用化の時期の)予測は難しい」と語った。

 世界保健機関(WHO)によると、世界では166種類のワクチン開発が進み、うち24種類は人に投与する治験が行われている。オックスフォード大が英製薬大手アストラゼネカと開発するワクチン候補は先行例の一つとされ、日本を含む各国が競って自国分の確保に乗り出している。アストラゼネカの日本法人から説明を受けた公明党議員によると、8月にも国内で小規模治験を始める意向を示したという。米国や中国のチームが開発するワクチン候補でも、初期の治験では安全性や免疫反応が確認されている。(ロンドン=下司佳代子)

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