拡大する写真・図版作家の岩井志麻子さん=東京都新宿区

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 コロナ感染拡大で名指しで批判された「夜の街」新宿・歌舞伎町。日本一の歓楽街には飲食店に加え、ホストクラブやキャバクラ、性風俗店などがひしめく。この街の独特の雰囲気にひかれ、長く住み続ける作家の岩井志麻子さん(55)に、歌舞伎町の魅力を聞いた。

 ――歌舞伎町にもう20年ほどお住まいと聞いています。

 「そうなんです。居心地がいいんで、『第二の故郷』のように感じています。故郷の岡山にいれば私はどうしたって『変な人』で目立っちゃうけど、ここにいるとむしろ地味なくらい。貝殻が砂浜に埋もれていれば目立たないのと同じですかね」

 ――住まれたきっかけは?

 「その前は、文京区白山に住んでたんですよ。良い町だったのだけど、『何か私、この町の住人ではないな』という違和感がずっとあって、長期滞在しているみたいな感じだった。引っ越し先を探していたら、友達が『新宿のマンションがある』と教えてくれました。岡山の人間から見ると、東京イコール新宿という印象があったので、即決したけど、歌舞伎町だったというわけです。でも、瞬時に地元の人になれました」

 ――なぜなじめたんですか。

 「近くには歌舞伎町で働いている人も多く住んでいますが、やはり『ワケあり』の人が多いんですよ。私自身も岡山でのうのうと主婦をしてたら、夫に離婚届をつきつけられ、35歳で身寄りのない東京へ上京してきた身。無名の物書きなんて明日をも知れぬ存在だし、何か歌舞伎町の醸し出す、寄る辺ない雰囲気が自分には合ったのかも知れません」

 「よくある男の自慢話で『昔おれってワルでさー』というのがあるじゃないですか。歌舞伎町でそんなことを言う男はいません。なぜだかわかりますか。『ワルさナウ』だからです。まあそれは冗談ですが(笑い)」

 ――怖い思いをした経験は?

 「ありませんね。歌舞伎町の人たちは敵や競合相手には怖い存在だけど、思いの外、やさしい面もあるんですよ。それは住んでいてわかってきました」

 ――やさしい面というのは、ど…

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