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 裁判員裁判の法廷で、被告や弁護士がマスクをつけると不利になる――。新型コロナウイルスの感染防止対策でマスク着用を求める裁判所に対し、一部の弁護士がそう反発している。なぜなのか。

 「マスクをつけると全力で弁護活動ができない」

 6月2日、約3カ月ぶりに東京地裁で再開した裁判員裁判。殺人事件の初公判で、被告の弁護人がマスクの着用を拒み、裁判が2時間以上中断した。裁判員が受け入れたため、地裁は弁護人に近い裁判員の前にアクリル板を置いて裁判を続けた。弁護士は取材に「被告の人生を決める重大な裁判だ。質問する私の表情をみて、被告や証人の答える内容も変わりうる」と説明。一方、裁判員の会見では「非常識だ」との批判も出た。

 検察幹部は「尋問ではお互いの表情が大事という主張は分かる」と弁護人に一定の理解は示すものの、「クラスター(感染者集団)が発生したら、ようやく始まった裁判が全て止まる。配慮は仕方がない」。ベテラン刑事裁判官は「社会活動が制限されている中、裁判員裁判だけいつも通りというわけにはいかない」との立場だ。法廷では検察官、裁判官ともマスクの着用を続けている。

「表情が見えないことは情報の喪失」

 マスクの有無は、実際に裁判員の判断に影響するのか。司法制度におけるバイアス(先入観)について研究する若林宏輔・立命館大総合心理学部准教授(法心理学)は「表情が見えないことは情報の喪失と言える」と指摘し、影響を与える可能性があるとみる。

 若林准教授によると、人は会話…

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