目黒児童虐待死、母が量刑不当を主張「DVを過小評価」

根津弥
[PR]

 東京都目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5)が虐待されて死亡した事件で、保護責任者遺棄致死の罪に問われた母親の優里(ゆり)被告(28)に対する控訴審の第1回公判が21日、東京高裁(若園敦雄裁判長)であった。懲役8年の一審・東京地裁判決を不服として控訴した弁護側は「夫の心理的DV(家庭内暴力)の影響を過小評価している」として量刑不当を主張。検察側は控訴棄却を求め、即日結審した。判決は9月8日。

 事件をめぐっては、当時の夫の雄大受刑者(35)も同罪などに問われ、虐待を主導したとして懲役13年の判決が確定している。

 この日、優里被告は、雄大受刑者が行ったとされる虐待を新たに供述。結愛ちゃんが2018年3月に死亡する6日前、結愛ちゃんが裸で浴槽に閉じ込められたといい、「ふたが閉められ、その上に水を張ったバケツが置いてあった」と泣きながら話した。一審の直前までその記憶を失っていたといい、一審で話さなかった理由を「衝撃的すぎて混乱していた」とした。

 優里被告は自らの心境について、結愛ちゃんが食事制限されていたことに触れ、「ご飯を食べると、何で私がおなかいっぱい食べているんだろうと怖くなり、腹が立ちます」と涙を流した。今年2月に出版した手記の印税を児童虐待などに取り組む団体に寄付しているとも述べた。

 弁護側は控訴趣意書で、優里被告が強いDVを受け続け、急性ストレスで記憶を喪失するなど「結愛さんの身に起きていることを現実感を持って受け止めることができなかった」と主張。「食事制限を主導したのは雄大受刑者だ」と指摘し、「被告の役割は全体的に見て小さく、一審は評価を誤っている」とした。

 検察側は「弁護側の主張は理由がなく、控訴は棄却されるべきだ」とした。(根津弥)