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 新型コロナウイルス対策で観光業を支援する国の「Go To トラベル」事業が22日、始まる。石川県内では相乗効果を狙って独自の割引を始める自治体もあり、宿泊業者も期待を寄せる。一方、東京の除外が直前に決まるなど混乱が続いており、不安も漏れる。

 加賀市は21日、8月1日から「応援リフレッシュ割」を開始すると発表。市民が市内の宿泊施設を利用する際、5千円を上限に1泊の料金を半額割り引くという。宮元陸市長は、国の事業との「相乗効果も図りながら需要を喚起する」と狙いを述べた。

 和倉温泉(七尾市)の旅館「加賀屋」の広報担当、張原滋さん(45)は「6月の宿泊者数は前年比で6割ほど。大変ありがたい」と国の事業を歓迎する。

 宿泊客全員の検温や、フロントや売店など対面での接客を伴う場所には飛沫感染対策のボードを設置。従業員全員にマスク着用を義務づけた。東京が対象から外れたのは「残念だが、感染が落ち着いてから、安心して来て欲しい」と話した。

 一方、山代温泉(加賀市)で二つの旅館を営む萬谷正幸・同温泉観光協会会長は「(事業の)具体的な事務作業や手続きがわかりにくい。国や県に示してほしい」とこぼす。前倒しや直前の東京除外で混乱し、消費者にも制度そのものが分かりづらくなったとみている。

 想定を上回る約16万人が利用した「県民宿泊割」で、7~8月の予約状況は前年並みに回復したが、9月以降は前年比3割ほどにとどまる。萬谷会長は「事業には期待しているが、県民割ほど消費が拡大するかわからない」と話す。

 県は21日、宿泊や飲食など観光関連業界との連絡会議を開き、事業内容や感染防止対策の徹底を確認した。出席した金沢ホテル懇話会の庄田正一会長は「旅行客に(施設側の)感染対策をアピールする仕組みを作って欲しい」と要請した。谷本正憲知事は会議後、「感染者を出さず、安全安心を確保することが最高のおもてなしになるという気持ちで備えていきたい」と述べた。(木佐貫将司)