小川崇、小西正人
「いい嫁」と言われていた女が、介護をしていた夫の母に手をかけた。「私と一緒に死んで」。介護の負担が増えたが周囲から十分な援助はなく、眠れなくなっていた。なぜ追い込まれてしまったのか。
起訴状などによると、被告(71)は2019年7月6日午後11時半から翌7日午前5時ごろ、愛知県内の民家で義母(当時96)の首をひもで絞め、殺害したとして殺人罪に問われた。
6月29日に名古屋地裁岡崎支部で開かれた裁判員裁判。初公判に、小柄で白髪交じりのショートヘアの被告が出廷した。裁判長から罪状について間違いないか問われ、「(間違い)ありません」と小さく答えた。
公判でのやりとりから、事件の経緯をたどる。
被告は50年前、長男の夫と結婚。食事や洗濯など主な家事を担った。夫の両親やきょうだいらと暮らしていたが、2003年ごろから義母と夫の3人での生活となる。自宅は、義母の家と渡り廊下でつながっていた。
義母が90歳を過ぎ、足腰が弱くなってくると、食事や布団の準備、ごみ出し、洗濯、服用する薬の手配も担うようになり、渡り廊下を頻繁に行き来した。当時は近くに住む孫3人を週3回預かり、習い事の送り迎えなどもしていた。
転機は19年5月、義母が自宅トイレで転倒したことだ。
歩行が困難になり、1人でトイ…
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朝日新聞社会部