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(21日、大阪独自大会 豊中 7 - 0 英真学園)

 5点を追う七回表、1死一塁の場面で、英真学園の川端二塁君(3年)に打席が回ってきた。村田升(のぼる)監督(42)から、「ここが最後の打席になる。しっかり振っていけ」と告げられていた。

 「絶対に打ってやる」。内角の直球に狙いを定めた4球目、アウトコースの直球を振らされ、三振。次の回は守備につくことなく、ベンチに下がった。

 「二塁」の名前は、小学生のクラブチームで監督を務める父、慎司さん(39)が名付けた。ちなみに双子の兄は「一塁」で、中学2年の弟は「満塁」だ。

 「覚えやすくて忘れられへん名前を考えたら、他には浮かばなかった」と慎司さん。

 川端君も「世界を探してもおそらくほかにはいないはず。周りのみんなにも覚えてもらいやすい」と、自分の名前はお気に入りだ。中学生から二塁手になり、高校でも正二塁手の背番号4を目標にしてきた。

 コロナ禍で部活動が休止になった時期は、川端君は満塁君が入っているクラブチームや、慎司さんのチームの練習に参加した。体を動かし、バッティング練習に努めてきた。

 高校最後の夏となる府大会を前に、村田監督は川端君に背番号4を託した。家族に報告した川端君の表情は「自慢げだった」(慎司さん)。

 豊中との初戦、川端君は二塁手で先発出場した。ただ、相手投手陣の好投を崩せず、3打数無安打に。チームも散発4安打で、無得点に終わった。

 試合後、川端君は「いろいろ迷惑かけたけど、最後まで見守ってくれてありがとう」と父への思いを語った。慎司さんは「3年続けてきたことは立派。一生懸命やったから、今日はちょっとだけほめてあげたい」とねぎらった。

 大学でも野球を続けるつもりだ。この日も自分としては悔しい守備のミスがあった。「高校野球は一区切り。守備面も打撃面も、まだまだ成長していきたい」とさらなるレベルアップを誓った。(浅沼愛)