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 「2020夏季静岡県高校野球大会」(県高野連主催、日本高野連、朝日新聞社など後援)は23日、3回戦16試合が実施される。愛鷹球場の第3試合では、プロ注目の最速148キロ左腕高田琢登投手を擁する静岡商が強豪御殿場西と対戦する。昨夏優勝の静岡は、知徳と清水庵原の第1試合で対戦する。初戦で甲子園交流試合出場校の加藤学園を破った飛龍は、愛鷹の第1試合で清水東と対戦する。

 雨天などによる中止は、当日朝、県高野連ホームページ(http://shizuoka別ウインドウで開きます―hbf.com/)に掲載される。(和田翔太)

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 「父さんと一緒に甲子園に行きたい」

 2年半前、静岡商のエース高田琢登君(3年)は父親の晋松(しんまつ)さん(50)が監督を務める同校への進学を決めた。県内外の多くの名門校から誘いを受けていた。

 野球を始めたのは小学4年生。それまではサッカー少年だったが、4年生になったら野球をすると晋松さんと約束していた。

 才能はすぐに開花した。中学3年で球速は139キロを記録。シニア日本代表にも選ばれた。息子と一緒にやりたい気持ちはあったが、晋松さんはあえて勧誘しなかった。本人の気持ちを尊重したかったからだ。「静商のユニホームを着せて『似合うぞ』と言ったくらいです」と笑う。

 それでも息子は「父と甲子園に行く」という目標を胸に静商の門をたたいた。グラウンドでは選手と監督。時には厳しい言葉での指導もあった。「最初はやりづらさも多少あった」と晋松さんは振り返る。

 1年の時から試合に出場。夏の静岡大会ではベスト8進出に貢献した。2年の夏からはエースを任された。静岡大会準々決勝の駿河総合戦では連投の影響もあり、7回途中で6失点。甲子園には届かなかった。

 順風満帆だったわけじゃない。期待されながら、悔しい敗戦を幾度となく重ねてきた。昨秋の東海大会初戦では、津商(三重)に四回に10点を奪われ、七回コールド負け。自信があった直球を狙われた。

 どうして打ち込まれたのか考え抜いた末、投球スタイルを変えた。スライダーと直球頼みの投球にスプリットやカーブを織り交ぜ、緩急を付けた。

 投球フォームも変えた。ロッテの佐々木朗希投手のように足を高く上げ、勢いよく投げていたが、横浜DeNAの今永昇太投手のように軸を安定させ、制球を重視した。

 成果が出たのは昨年11月の大学生との交流試合。5回を無失点に抑えた。「今年こそは必ず甲子園」。自信を取り戻し、最後の夏に懸けていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で状況は一変した。

 父と一緒に甲子園に行く夢は、戦う前に消えた。それでも独自大会の開催を信じ、努力を続けた。球速は最速148キロまで伸びた。

 初戦の星陵戦では快勝。次は強豪御殿場西と対戦する。「優勝して甲子園に出場するのにふさわしいチームだったと証明したい」。それが、父とめざした夢への自分なりの答えだと思っている。(和田翔太)