宝塚歌劇団の元星組娘役、琴まりえさんは神戸市出身。阪神大震災のあった1995年、宝塚音楽学校に入学しました。「当たり前のことが当たり前でなくなる」経験は、コロナ禍の今と重なるといいます。琴さんが、公演再開を迎えた後輩たちに期待することとは。
拡大する元星組娘役の琴まりえさん=東京都新宿区、岡田晃奈撮影
宝塚歌劇団OGのみなさんが、次の人を指名しながらリレー形式で登場するインタビュー企画。今回は、元月組トップ娘役の蒼乃夕妃さんから、琴さんへ。
――神戸市出身。阪神大震災の年に宝塚音楽学校へ入学しました。
震災のあった1月は、受験に向けた追い込み期。家族は無事でしたが、家はぐちゃぐちゃで水道や電気も止まってしまって。レッスン先まで、普段なら電車で1時間ほどですが、バスを乗り継いで2、3時間かけて通いました。
「他の子はこの時間も練習している」と焦ったりもしましたが、「こんなことで負けたくない」という思いのほうが強くなりました。最後は先生のご厚意で、泊まり込みでレッスンを受けて合格。人生で一番頑張った時期です。
宝塚歌劇を初めて見たのは小6の冬。宝塚大劇場のそばにあった遊園地へ遊びに行き、たまたま見たんです。スポットライトを浴びてキラキラしていて……。当時習っていたモダンバレエの発表会で、ソロを踊ったときの気持ちよさを思い出して、「ここは毎日が発表会なんだな」と。その日のうちに「絶対に入る」と決めていました。
拡大する1997年に83期生として入団し、2010年に退団した=東京都新宿区、岡田晃奈撮影
「浮き沈みが激しくて」。琴さんは、自身の現役時代をそう表現します。つらいときに同期からかけられた、忘れられない言葉とは。
――浮き沈みの激しい現役時代だったそうですね。
■新人公演でヒロイン、でもその…
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