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 箱根登山鉄道(本社・神奈川県小田原市)は23日、昨年10月の台風19号で橋脚が流失するなどして運休が続いていた箱根湯本―強羅間で運転を再開した。約9カ月ぶりに全線で運行が再開され、観光客や関係者から喜びの声が上がった。

 「このトンネルは水の道になり、路盤はほとんど削られました」。箱根湯本駅を出発した車両内で、同社の広報担当者が説明した。トンネルを抜け、仕上げ工事が残る作業現場を右手に見ながら、流失後に再建された陸橋の上を進んだ。

 強羅駅での式典には、赤羽一嘉・国土交通大臣らが出席。沿線で「お帰りなさい!」の横断幕を掲げて出迎えた箱根町の山口昇士町長があいさつに立ち、「胸に熱い物がこみ上げてきた」と話した。同駅には被災後、近くにある函嶺白百合学園の生徒が作った応援の旗が掲げられた。式典では同校に対する記念品の贈呈もあり、代表して受け取った生徒会長の高校2年、里中夢歩さん(17)は「友だちとまた、談笑しながら通学できるのが楽しみです」と話した。

 川崎市多摩区から家族3人で来た永野愛さん(41)は「再開して良かった。電車も混んでなく、安心しました」。駅前で土産物店を経営する中村雅昭さん(64)は「この日が来るのを指折り数えていた。感無量」と話した。(斎藤茂洋)