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 23日から4連休が始まった。九州各地を襲った豪雨の被災地ではボランティアによる復旧作業が本格化。政府の観光支援策「Go To トラベル」が始まる中、観光地では少しずつにぎわいが戻りつつある。

 7月4日の豪雨災害で市街地が広範囲に浸水した熊本県人吉市。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ボランティアの募集は県内に限定されているが、連休初日のこの日、市社会福祉協議会によると、1200人が会を通してボランティア活動に申し込んだ。

 川沿いの温泉旅館「清流山水花 あゆの里」は厨房(ちゅうぼう)が浸水し、約4千枚の皿が泥まみれに。熊本商工会議所と本渡商工会議所の職員15人が、スポンジや水で皿にこびりついた泥を洗い落としていた。熊本商工会議所の大野清隆さん(51)=熊本市=は「少しでも心の支えになれば」。旅館の料理長、蓑田浩二さんは「一枚一枚手で洗うので、従業員だけでは難しかった。本当に助かります」と話した。

 国宝の社殿が浸水した青井阿蘇神社には、4年前の熊本地震で大きな被害が出た益城町から、建設業協会の会員18人がトラック11台で集まった。道をふさいでいた家電や流木などをパワーショベル2台で回収。川口宝成(ほうせい)会長(54)は「熊本地震では多くのボランティアの方に助けられた。一日も早く復旧するよう恩返ししたい」。福川義文宮司は「周りがきれいになった。ありがたい」と話した。

県外客訪問に「複雑な気持ちも」

 長崎市南山手町の世界遺産・大浦天主堂やグラバー園などには観光客たちが集まっていた。妻と訪れた名古屋市の会社員の男性(27)は「ずっと人が動かなければ経済も止まってしまう。マスク着用や消毒など対策を徹底すれば旅行してもいいと思う」と話した。

 大浦天主堂近くのジュース・スタンド「フルーツガーデン・アズタイム」はこの日、約3カ月ぶりに店を開けた。店主の碇(いかり)洋介さん(71)は「外出自粛期間の3倍ぐらいの人出がある。この4連休に期待したい」。ただ、都市部でコロナの感染が再び拡大しており、県外客がたくさん来ることに「複雑な気持ちもある」とも話した。

 平成筑豊鉄道(本社・福岡県福智町)はこの日、コロナの影響で休止していた観光レストラン列車「ことこと列車」の運行を約4カ月ぶりに再開した。定員を半分の24人に減らし、「3密」を回避。この日、県内外の16人が乗車した。

 直方駅では通算5千人目の乗客を迎えるセレモニーもあり、家族で訪れた北九州市の椋木誠さん(52)に記念品が贈られた。「桜の季節に乗る予定でした。再開できてよかった」。途中停車の田川伊田駅ではホームで特産品が販売され、再開ムードを盛り上げた。(山崎毅朗、弓長理佳、遠山武)