[PR]

 「2020年夏季静岡県高校野球大会」(県高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は23日、3回戦16試合があった。1回戦で甲子園交流試合に出場する加藤学園を破った飛龍は清水東に敗れた。静岡商は御殿場西に5―1で勝利、昨夏優勝の静岡は知徳を6―1で破り、それぞれ4回戦に駒を進めた。24日は4回戦8試合が予定されている。

     ◇

 「今ここで野球ができていることが幸せ」。御殿場西の石川俊弥君(3年)は試合後、仲間たちに感謝した。162センチと小柄ながら、堅実な守備が光る内野手は、2度の大けがを克服し、この日、静岡商とのリベンジマッチに臨んだ。

 昨年10月、練習試合でボールが右目を直撃した。網膜の中心部に穴が開き視界が真っ暗になった。視力は2・0から0・1以下まで落ち、眼球内にガスを入れる大手術を受けた。

 視力は0・8まで回復したが、今年1月には練習中、グラブからこぼれた球の上に誤ってお腹から勢いよく乗ってしまい内蔵を損傷した。腸管に血液がたまり、集中治療室に3日間入った。医者には「野球はもうできないかもしれない」と言われた。

 入院中、チームの仲間や友人、両親などたくさんの人たちが励ましてくれた。「このままでは終われない」。絶対に治して、グラウンドに戻ると治療に専念した。けがは奇跡的に治り、3月に復帰した。

 静岡商には昨秋、負けていた。絶対にリベンジしたかった。勝って、心配してくれた人たちに「もう大丈夫」と伝えたかった。

 4点を追う六回2死一、三塁の好機。プロ注目の左腕高田琢登投手(3年)から右適時打を放ち、1点を返した。塁上では思わずガッツポーズが出た。

 試合には負けたが、うれしかった。大会屈指の好投手からヒットが打てた。何より、仲間と最後まで試合ができた。「みんなには本当にありがとうと言いたい」。心の底から思った。=愛鷹(和田翔太)