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 「2020年夏季静岡県高校野球大会」(県高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は24日、4回戦8試合があった。昨夏の静岡大会優勝の静岡、準優勝の駿河総合のほか常葉大菊川、静岡商などが準々決勝進出を決めた。準々決勝4試合は26日に草薙、清水庵原両球場で行われる。

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 3点を追う五回裏、2死一、三塁。磐田東の二俣翔一君(3年)に好機で打順が回ってきた。前の打席では相手の好守に阻まれ、得点の機会を逃していた。「今度こそ絶対に」。気合を入れて打席に入った。

 負けられない理由があった。今大会を最後に勇退する山内克之監督(65)に夏の県大会通算100勝を贈りたかった。相手は昨夏の県大会2回戦で敗れた常葉大菊川。先輩たちのためにも雪辱を果たしたかった。

 4球目。落ちる球を振り抜いた。強い打球は相手投手の好捕に阻まれ、またもチャンスを生かせなかった。残り3勝。決勝に行けば達成できた監督の夏100勝は、かなわなかった。

 大会屈指の捕手と注目を集めた。二塁までの送球タイムは1・8秒を切る。「盗塁阻止率10割」が目標で、常に走者がいることを想定して練習に励んだ。その可能性にプロのスカウトも注目。初戦の浜松工戦には9球団のスカウトが詰めかけた。

 小学1年生で野球を始め、すべてのポジションを経験。高い身体能力で、マウンドに上がれば最速144キロの速球を投げる。高校通算20本塁打の打撃も魅力だ。

 それでも、捕手にこだわりたいと思う。夢はプロ野球選手。プロ野球西武の森友哉選手のように「打てるキャッチャー」が目標だ。

 試合後、山内監督は選手一人一人と握手を交わした。「みんなには感謝している」。その言葉に気持ちを新たにした。才能を見いだし、目を掛けてくれた監督に、いつか必ず恩返しする。

 「必ずプロに行って成長した姿を見せたい」(和田翔太)