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(24日、長野独自大会 阿智 2 - 1 伊那北)

 同点の九回表、本塁打を放った阿智の北沢翔天(しょうあ)(3年)は泣いていた。二塁を回ったあたりでこみ上げてきた。ずっと勝てなかったこと、大会があるかどうかも分からない時期、支えてくれた人たち……。いろんなことが浮かんできた。

 この回もあっさり2死。流れを変えたいと入った打席。「直球に振り負けないように」と意識し、初球のスライダーに反応した打球が左翼の芝生席で弾んだ。

 選手3人だけの3年生は、1年の秋から公式戦で勝利がなかった。主将でエースで4番の北沢は重い責任を背負ってきた。九回裏、1球投げたところで雨で中断。約1時間40分後に再開した初球を安打された。マウンドに集まった仲間を自ら鼓舞し、1点を守り切った。

 丸山智大監督によると、四球や失策絡みで失点するのがいつもの負けパターン。グラブを投げつけることもあった北沢を、その都度しかってきた。この日は粘り強く1点に抑え、決勝本塁打。「100点満点」とほめた。(松下和彦)