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(25日、宮城独自大会 仙台育英11-0気仙沼)

 三回表に登板した仙台育英の風岡慶君(3年)の一投目に、スタンドがどよめいた。上体を反らすように腕を大きく振りかぶり、体を真後ろにまでひねって振り抜く。豪快なトルネード投法で名をはせた元メジャーリーガーの野茂英雄さんにそっくりだった。

 ベンチ入りも登板も、この日が初めてだ。

 甲子園に出た仙台育英の一員だった兄の輝さんに憧れて福島から進学したが、球速に伸び悩んだ。プロ選手の動画を見てはマネを繰り返す日々。下手投げを試して脇腹を痛めたこともある。試行錯誤の末にたどり着いたのがトルネード投法だった。

 最速133キロまで伸びた。さらに、独自大会は「3年生全員出場」との方針で出番が回ってきた。

 「落ち着けー」という仲間の声援で奮い立った。直球で押して、野茂さんと同じ決め球のフォークで三振を奪った。無失点で抑えると、須江航監督は「ナイスピッチ」と迎えた。

 試合後、「監督に声かけられることは少ないから、うれしい」と風岡君。取材で取り囲む報道陣を前に、「自分で良かったんですか」とはにかんだ。(大宮慎次朗)