後続の弟に…双子の兄、最終打席にヘッドスライディング

中村建太
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(24日、岡山独自大会 玉島商4-1関西)

 絶対つないでやる。

 3点を追う九回。1死一、二塁のチャンスに、関西・紀村宗太朗君(3年)は打席に入った。前の打席で右越え三塁打を放った。だが次打者席にいる双子の弟、英太朗君につなぐことだけを考えた。

 大阪市出身の2人は、小2で一緒に野球を始めた。最初は兄が捕手、弟が投手のバッテリー。中学ではポジションを入れ替えて、引き続きバッテリーを組んだ。勝負強い兄と的確な判断ができる弟。2人の息はぴたりと合った。

 甲子園を目指し、父・修也さん(49)の母校の関西へ進学。寮では、同じ部屋の2段ベッドで過ごした。2人で正捕手の座を競った時期もあったが、最後の夏は兄が二塁手、弟が捕手として、先発に名を連ねた。

 コロナ禍で休校となった間も2人は寮にとどまり、互いの打撃フォームを動画で撮影するなどして鍛錬を重ねた。甲子園の道が無くなってからは、昨秋の県大会で敗れた倉敷商へのリベンジに目標を切り替えた。この日、玉島商に勝てば、次の相手は倉敷商だった。

 最後の打席。宗太朗君が振り抜いた打球は遊撃手の正面へ。一塁へ頭から滑り込み、併殺で試合終了となったことを知ると、信じられないような表情を浮かべた。

 修也さんはこの日午前4時半に自宅を出て観戦に来た。「よく頑張った」とねぎらい、就職を希望する2人に「社会に出れば思うようにいかないこともある。この経験をバネにしてほしい」とエールを送った。(中村建太)