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 新型コロナウイルスの感染拡大で多くの死者を出したイタリア北部ロンバルディア州で、医療用ガウンなど防護具の納入をめぐる汚職疑惑が浮上し、フォンターナ州知事が地元検察の捜査対象となっている。同国メディアが25日、報じた。

 公共放送RAIなどによると、医療従事者の防護具が不足していた4月中旬、州の調達機関が知事の親族が経営するファッションブランド企業に7万5千枚のガウンなど約51万ユーロ(約6300万円)分を競争入札なしで発注した。

 その後、5月に入札手続きなしの契約過程に疑問を持ったRAIの調査報道の追及を受け、親族側は「寄付なので1ユーロももらっていない」と釈明。州も納入手続きを寄付に変更したが、同時期にフォンターナ氏がスイスの銀行の個人口座から、25万ユーロ(約3千万円)を企業に送金しようとしたという。

 フォンターナ氏は自身のフェイスブックで「私の財産に隠されたものはなく、偽のスクープの元になるようなことは何もない」と疑惑を否定した。検察当局は、入札なしで親族企業が納入元に決まった経緯や、知事の送金が親族企業への補償目的だったかどうかなどについて、調べを進めているとみられる。

 イタリア国内で最も感染が集中した同州では、病院や高齢者施設での防護具が不足し、施設内での感染が拡大。人口約1千万人の州内で、これまでに約1万6800人が死亡した。(ローマ=河原田慎一)