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 宮崎県内で新型コロナウイルスの感染が判明した人の数は25日に実施した検査で26人となり、1日の数としては最多となった。県はこれまでに16人の感染者が確認されている高鍋町のスナックで県内初のクラスター(感染者集団)が発生したと断定し、厚生労働省のクラスター対策班に報告するとともに、全県に感染拡大緊急警報を出し、西都児湯地域の接待を伴う飲食店に休業要請を行うことを決めた。(神崎卓征、矢鳴秀樹)

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 25日の検査で感染が確認された人のうち、高鍋町のスナック「Little」のクラスターで感染した客や従業員は、その家族も含めると年代が10~60代に広がった。居住地も西都市、都城市、高鍋町、川南町、木城町、新富町と、面的にも広がりをみせている。

 スナックのクラスター感染者の中には、複数の利用者の感染が確認されている宮崎市の理髪店経営者と、13日に会食をした人も確認されており、県が関連を調べている。

 感染者の急増に対し、県は大量のPCR検査を行って感染者を発見し、拡大を抑え込む方針だが、感染者が急増する中、感染者の行動歴を聞き取り、濃厚接触者を割り出す作業が急増している。

 感染者の多くが無症状といい、一連の感染拡大に伴うPCR検査で初めて感染がわかったという。入院は必要ないとされる軽症患者と無症状者は、県が軽症者用宿泊施設として確保している宮崎市の「ひまわり荘」を使ってもらうことにしており、27日から受け入れを始める。

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 県内初のクラスターが高鍋町で確認されるなど、感染者が拡大していることを受け、県は26日、全県に「感染拡大緊急警報」を出した。県独自の緊急事態宣言の一段階手前としてこの日設けられたもので、特定地域で新規感染者が急増したり、クラスターが発生したりした場合に発出するという。8月31日まで継続する。

 新型コロナ対策会議後に記者会見をした河野俊嗣知事は「7月に入って45人の感染が確認され、大変厳しい状況にある。接待を伴う飲食店で、本県初のクラスターも発生し、高鍋を中心に地域に不安が広がっている」と述べ、事態の深刻さを強調した。

 感染拡大緊急警報は、積極的に疫学調査を進め、西都児湯地域の219の接待を伴う飲食店に対し2週間程度の休業を要請し、協力金を支給するといった感染防止策を盛り込んだもの。不要不急の帰省を控えるよう、県外の県人会を通じた要請も行い、県外との往来についても注意喚起をした。

 また「!」の数で表現していた県内の警報レベルについても、従来の最高レベルの「!!!」より「!」を一つ多くしたレベル4を設け、レベル3(同警報)とした。

 全県的に県独自の緊急事態宣言を出さなかったことについて河野知事は、感染しているエリアが全県に広がっていないためと説明した上で「西都児湯地域以外のエリアに同じような対応を求めることは、県民生活、経済に甚大な影響があるため、『感染拡大緊急警報』を設けて注意喚起を行った」と述べた。

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 宮崎県内の新型コロナウイルスの感染者は22~25日の4日間で42人増えた。クラスター(感染者集団)が発生した高鍋町のスナック「Little」を中心とする西都・児湯地域と宮崎市で感染が広がっている。

 Littleでは経営者と従業員計4人に加え、客12人や、従業員らの家族4人の計20人が陽性と判明した。高鍋町や木城町など近隣への感染拡大が目立つ。高鍋町のフルーツ店「津久見屋果實店」の店主も客として、このスナックを訪れていた。

 宮崎市の感染は主に2ルート。関東からの来県者が参加したバーベキューでは3人が感染。理髪店では店主と客、その家族計6人の感染が確認されている。(高橋健人)