青々と作物が育つ田畑に、約1200メートルの滑走路跡がまっすぐ延びる。梅雨の晴れ間が広がった7月の第3日曜日、普段は静かな鶉野(うずらの)飛行場跡(兵庫県加西(かさい)市)に、朝から人が続々と集まってくる。この日は第2次世界大戦で使われた戦闘機「紫電改(しでんかい)」の実物大模型の一般公開日。倉庫から機体が出されると、来場者が一斉に取り囲んだ。興味津々の男の子、若いカップル、戦争経験者の男性……。じっと見入ったり、写真を撮ったり。鶉野平和祈念の碑苑(ひえん)保存会の上谷昭夫さん(81)は来場者に語りかけた。「なぜここに戦闘機があると思いますか?」
鶉野飛行場はかつて旧日本海軍の基地だった。ここはパイロットの訓練拠点と戦闘機組み立て工場の、二つの役割を持っていた。
1943年3月、住民らを立ち退かせて土の滑走路の建設を開始。10月には戦闘機のパイロットを養成する姫路海軍航空隊が発足した。全国から集まった練習生は、約3カ月間の実戦想定の訓練を経て、前線へと送り出された。約500人がここで訓練を積んだという。
朝日新聞デジタルでは戦後75年に向けて、全国に残る戦跡をドローン撮影した動画を随時配信していきます。
戦局悪化で沖縄戦が現実味を帯…
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