[PR]

 30年以上の歴史があり、秋の風物詩として定着していた出雲駅伝(出雲全日本大学選抜駅伝競走)は、新型コロナウイルスの影響で中止が決まった。台風で実施が見送られた例はあるが、想定外の事態に主催の島根県出雲市の関係者に苦渋が広がった。

 長岡秀人市長が27日、記者会見。「非常に残念で、楽しみにしていた人たちに申し訳ない思いはある。断腸の思いだ」と胸の内を明かした。

 市は当初、開会式や歓迎パーティーを省略するなど規模を縮小した形で開催できないか、共に主催する日本学生陸上競技連合と模索。しかし、日本陸上競技連盟が6月、徹底した感染防止策や参加者の健康状態の把握、感染者が出た場合の対応など、競技再開の具体的なガイダンスを示したことが断念につながった。

 とりわけ、65歳以上の競技役員は避けるようにとの指針を踏まえ、ボランティアで参加する市民についても配慮。コース沿道の見守りや見学者の整理などを担う約2千人のボランティアの多くが感染後の重症化リスクが高いとされる65歳以上の高齢者であることを重視した。長岡市長は「(今大会だけ)若い人たちに代えることは困難だった。選手や関係者、市民の安全が最優先。来年以降も安全に大会を続けるために中止の判断をした」と話した。

 市陸上競技協会の青木敏章会長も「地方が誇る市民が育ててきた駅伝。このような感染状況の中で押してやるようなことはできない。将来につなぐためにもやむを得ない」と述べた。

 出雲駅伝は1989年にスタート。コースが平らで、駅伝としては短い距離の出雲大社前―出雲ドーム間の45キロ余りでたすきをつなぐ高速レースとして知られる。全国レベルの選手を間近で見られる機会とあって、沿道には観光客を含めて多くの駅伝ファンが集まる人気イベントになっている。(杉山高志)

     ◇

 10月11日に開催予定だった第32回出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)について、主催する島根県出雲市は27日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止すると発表した。中止は台風が接近した2014年以来2度目。

 同市は日本陸連が6月に示した競技再開のガイダンスに沿って、共に主催する日本学生陸上競技連合とオンラインなどで開催の可否を検討。規模を縮小した上での開催もめざしたが、全国から選手やチーム関係者、ボランティアら約2500人が集まる大規模イベントは「3密」対策が難しいと判断した。長岡秀人市長は「選手や関係者の健康や安全を考えると中止とせざるをえない」と述べた。

 1989年に始まった同駅伝は、全日本大学駅伝対校選手権、東京箱根間往復大学駅伝と合わせた「3大駅伝」の初戦。出雲大社前~出雲ドーム間の6区間45・1キロをつなぐ。

関連ニュース