拡大する写真・図版今こそ聞きたいDX

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 「美白」という表現が、世界で見直されつつあります。発端は今年5月、アメリカのミネソタ州で黒人男性のジョージ・フロイドさんが、白人警官に首を圧迫され、亡くなった事件です。これを機に、「アメリカ社会に深く根ざした黒人差別を今度こそ無くそう」と、黒人だけでなく多くのアメリカ人が声を上げました。「Black Lives Matter(黒人の命も大事)」を合言葉にした抗議運動は世界に広がり、私たちに意識変革を迫る大きなうねりになっています。

 この動きに背中を押される形で、化粧品業界では「美白」を見直す動きが進んでいます。6月、ユニリーバがスキンケア商品から「white(白色)」や「fair(色白)」、「light(明るい)」といった表現を削除しました。ロレアルも同様の対応を決めたほか、ジョンソン・エンド・ジョンソンはアジアや中東で美白クリームの販売を止めました。

 日本では、「美白」は根付いた表現になっており、「色白は七難隠す(肌が白ければ、顔かたちに多少の欠点があっても補われる)」ということわざもあります。

 2015年、日本代表として褐色の肌の女性がミス・ユニバース世界大会に出場し、話題になりました。アフリカ系アメリカ人の父と日本人の母を持つ宮本エリアナさん(26)です。SNSでは宮本さんの肌の色など外見的な特徴を理由に、「日本代表にふさわしくない」といった声も出ました。

 宮本さんは人種を聞かれると、「私は黒人です」と答えているそうですが、「美白」についてはどう思っているのでしょうか。直接会って、心の内を聞きました。

拡大する写真・図版美白について話す宮本エリアナさん=2020年7月21日、東京都中央区、竹花徹朗撮影

みやもと・えりあな 1994年5月、長崎県佐世保市生まれ。父親がアフリカ系米国人で母親が日本人。2015年のミス・ユニバース世界大会でトップ10に入った。17年に香港出身の男性と結婚し、18年に長男が誕生した。

日本で感じた生きづらさ

――化粧品から「美白」という文言を削除する動きがありますが、どう受け止めていますか?

 人種の問題は何十年も、何百年も前からあることです。今は技術も発達して、SNSなどを通じて色んな考え方を共有できる世の中になったのに、動きが遅いなって思います。「肌を白くしましょう」と全員に押しつけるのはおかしいと思いますが、白くなりたいと思っている人もいるでしょうし、世の中の流行もありますから、完全に排除する必要はないと思います。

――日本も肌の白さを美しさの指標とする国の一つです。

 ドラッグストアの基礎化粧品類は「美白」と書かれているものばかりですよね。すごく違和感があります。同じ日本人でも、私のような黒人のハーフもいます。両親が黄色人でも、生まれつき肌の色が黒い人もいます。

 日本では人との違いを抱える人が、変に目立ったり、たたかれたりすることがあります。私の場合、幼少期は大人から「くろんぼ」「アメちゃんの子」と呼ばれたり、小学校では同級生から「色がうつるから一緒にプールに入りたくない」とからかわれたりしたこともあります。幼少期は生きづらさを感じてきました。

――宮本さんは黒人ですか?

 私は黒人です。高校時代はアメリカで過ごしましたが、人種を問われたときは「ブラック」と答えていました。ただ、もちろんアジア人でもあります。

――私は海外で「yellow(…

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