JAXAと「はやぶさ2」共同研究を 大学生4人が挑む

松永佳伸
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 12月に地球へ帰還する予定の小惑星探査機「はやぶさ2」。岐阜市出身の大学生4人が小惑星「リュウグウ」のサンプルを載せたカプセル回収チームの一員として、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究を目指している。別々の大学に籍を置き、研究室に属さない学生による国家プロジェクトへの参加が実現すれば異例だが、課題は資金の調達。4人はクラウドファンディングで支援を呼びかけている。

 4人は、中部大工学部の川地皐平(こうへい)さん(19)、東京大工学部の田中康暉(こうき)さん(20)、愛知工業大工学部の河村朋冶(ともや)さん(20)、同志社大文学部の中山尚さん(19)で、宇宙が大好きな大学2年生。中学や高校時代からの友人で、アマチュア無線を楽しんだり、人工衛星の模型づくりのコンテストに出場したりしていた。

 川地さんと田中さんは高校生の時、初代「はやぶさ」のプロジェクトリーダーを務めた川口淳一郎さんの講演会に参加し、感銘を受けた。

 昨年12月、JAXAのホームページに「はやぶさ2 サンプルリターンカプセル観測研究テーマ提案募集」が掲載された。それを見た川地さんが「何か面白いことはできないか」と3人に声をかけた。

 注目したのは、無線仲間にはよく知られている「流星バースト通信」に関する研究だった。流れ星大気圏に突入する際にプラズマを発生させる現象で、人工物でも同じ現状が起きると考えられている。

 4人は帰還するカプセルを使って人工物が大気圏に再突入した際に起こる無線通信障害についての研究を提案し、採用が内定した。日時や場所がわかる「人工流星」で観測ができる貴重な機会ととらえている。

 川地さんは、宇宙開発が進めば、運用が終わった人工衛星などによる流星バーストの多発が予想され、ラジオや防災無線などの電波障害をもたらす可能性があると指摘する。

 今回の研究プロジェクトでは、流星バーストに地上から電波を反射させ、観測する流星バースト通信の研究を通じて、通信インフラの整備やGPS精度の向上、電波障害のリスク軽減に役立てる狙いがある。

 新型コロナウイルスの影響で4人は、オンラインで打ち合わせを重ね、JAXAとの調整を続けている。4人は「持続可能な宇宙開発に貢献できると確信している」と意気込む。

 しかし、共同研究にはJAXAと契約を結ぶことになり、費用面は全額自前だ。独自の学生プロジェクトのため、公的機関の支援もなく、研究に関する費用を国などから得ることもできない。

 交通費や観測機材の購入に必要な資金を工面するため、4人はインターネットのクラウドファンディング(https://readyfor.jp/projects/HAYA2RWRP別ウインドウで開きます)を活用し、今月末まで支援を募っている。22日には川地さん、河村さんが岐阜市役所を訪れ、柴橋正直市長にプロジェクトの内容を説明し、協力を呼びかけた。

 問い合わせはメール(haya2message@gmail.comメールする)で。(松永佳伸)