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(27日、奈良独自大会 奈良大付14-0五條)

 五條の4番、東浦大二朗君(3年)は身長180センチ、体重130キロの恵まれた体格を生かし、初戦の王寺工戦で左越えの本塁打を打ち、存在感を放った。

 8強をかけた一戦。点差を14点まで広げられ迎えた七回裏、コールド負けが近づき、東浦君は「一発打つしかない」。しかし、相手投手の緩急をつけた投球に苦しんだ。三つ目のストライクは、速球で手が出なかった。「振っておけばよかった」。天を仰いで、高校最後の打席を下りた。

 小学校で野球を始め、6年生で身長は175センチ、体重は85キロに達した。体格を支えるのは、祖母の手料理。以前からどんぶり3杯分の白飯を食べ、「食事のトレーニングはしたことがない」。安井浩監督は「見た目もチームの精神的にも大黒柱。どんと構えてくれて頼もしい」。

 中学時代はバスケットボール部に。「野球がつまらなくなって、他のことをしたいと思った」。クラブチームを退団し、野球から離れた。

 だが、中学の野球部は人数が少なく、よく助っ人で試合に出た。「ホームランを打ったらみんなで喜んでくれた。人数が少なくても盛り上がる野球が楽しかった」。テレビ中継で野球を見るたびに後ろ髪をひかれる思いだった。高校で再び野球に打ち込んだ。

 高校は「仲間の大切さや野球の楽しさを学べた3年間でよかった」と東浦君。大学でも野球を続けると決めている。「いつでもチームを支える4番になるために、どんな投手のボールも対応して振れるようになりたいと思えた試合だった」(平田瑛美)