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 深い海底下の約1億年前の白亜紀に積もった地層で見つかった生きた細菌に、いまも増殖する能力があった――。そんな研究成果を海洋研究開発機構などの研究チームが28日付で科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。

 諸野祐樹・同機構主任研究員によると、細菌が見つかった海底の堆積(たいせき)物は2010年に、南太平洋の水深3740~5695メートルの海底から海底下75メートルほどまでの間で採取された。その地層から430万年前、1300万年前、9540万年前、1億150万年前の試料を取り出し、餌となる物質と酸素を与えて培養を試みた。

 培養を始めて21日目には餌の取り込みが検出され、増殖も確認できた。採取した堆積物にいた微生物は平均77%が生きており、特に1億150万年前の白亜紀の堆積物から取り出した微生物は99%以上が生きていると判断できた。DNA解析で、微生物の大半が空気を好む細菌であることも分かった。

 採取した海底堆積物の粒子のすきまは微生物より小さいため、諸野さんは「堆積物の中を移動してきたとは考えにくい。今回の結果は微生物が貧栄養、低酸素の状態で1億年もの間、増殖能力を残したまま生き延びてきたことを示している」と話す。海底下での生存を可能にしたしくみの解明は、今後の課題だという。

 論文はネイチャー・コミュニケーションズのサイト(https://www.nature.com/articles/s41467-020-17330-1別ウインドウで開きます)に掲載された。(米山正寛)