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 入所者が不慮の飲食事故で亡くなったら、介助者が刑事責任まで負わなければならないのか。准看護師が業務上過失致死罪に問われ、一審で有罪になった長野県の特別養護老人ホームでの死亡事故。東京高裁は28日、逆転無罪判決を言い渡した。不安を募らせていた介護関係者らに安堵(あんど)の声が広がった。

特養施設長「ショックは残り続ける」

 高裁判決では間食を含めた食事について、「健康を維持するためだけでなく、精神的な満足感や安らぎを得るために重要」と言及した。看護師でコラムニストの宮子あずささん(57)は「現場の実情を踏まえていて、ほっとした。食べることの意義を認めてくれたことも大きい」と話した。

 特養は「終(つい)のすみか」と呼ばれる。厚生労働省の調査では、平均要介護度は3・94(2017年)と、手厚い介護が必要な人が多い。宮子さんは「高齢になっても食べたいという欲求は強く、それを満たそうとするケアは大事」という。

 介護施設ごとの温度差はあるものの、入所者のために口から食べさせるための取り組みが行われてきた。有罪が維持されていれば、「危ないから、食べさせるのをやめよう」と、チューブで胃に直接栄養を送る「胃ろう」など経管栄養に逆行しかねなかった、とみる。

 ただ、高齢者の介護はリスクと隣り合わせで、職員を取り巻く状況は厳しい。公益財団法人「介護労働安定センター」が介護現場で働く人に行った調査(18年度)によると、事故になりかけた「ヒヤリハット」の過去1年間の経験者は全体で54・9%。特養に限ると74%にのぼった。

 高裁判決は逆転無罪を言い渡しましたが、裁判は介護現場に横たわる様々な課題を浮き彫りにしました。記事の後半では、介護のあり方や介護現場の負担についても考えていきます。

 高裁判決後、報告集会に参加し…

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