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 新型コロナウイルス対策で新興・途上国が苦境に陥っている。欧米の先進国とほとんど同時に外出規制などで厳しい措置を始めたものの、すでにピークを過ぎた欧州などに比べ、感染が後から拡大。規制の緩和に踏み切れず、経済的な困難は我慢の限界に達している。

 エジプト・ギザの3大ピラミッドに近い町外れ。6月末、観光客が消えた路上で、3頭の馬が散乱したごみ袋に鼻先を押しつけ、食べ物を探していた。

拡大する写真・図版ピラミッド近くの路上でゴミをあさる馬。あばら骨が浮き出し、やせ細った姿が痛々しい=2020年6月30日、ギザ、北川学撮影

 世界遺産の見物に来る外国人を背中に乗せたり、馬車を引いたりする馬だったが、3頭ともあばら骨が浮き出し、やせている。路肩には1頭の雄馬の死骸が横たわっていた。

 ピラミッド周辺には、1400頭ほどの馬とラクダがいる。住民が日銭を稼ぐ大切な動物だが、飼育組合長のラマダン・タルトゥールさん(50)は「ロックダウン(都市封鎖)の3カ月で40~45頭の馬と、9頭のラクダが飢え死にした。家族を養うため、動物を売り払った人もいる」と話した。

拡大する写真・図版ピラミッドの前で客待ちするラクダ=2020年7月1日、ギザ、北川学

 国内のコロナ感染者がまだ256人だった3月19日、エジプト政府は国際航空便の発着を停止し、23日にはピラミッドなどの観光施設も閉鎖した。観光は国内総生産(GDP)の1割以上を占める主要産業だが、欧州で感染が急拡大するなかで「経済より命」(マドブリ首相)を優先した。

 ロックダウンで観光業界が被った損失は毎月10億ドル(約1070億円)に上った。感染者数が9万人を超えた今、耐えきれなくなった政府は「コロナとの共存」に転換。今月から、紅海のリゾート地で国際便を再開し、ピラミッド観光も解禁した。(ギザ=北川学)

「万能薬ではなく、せいぜい時間稼ぎ」

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