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 新型コロナウイルスはスポーツ界にも様々な制限を強いています。陸上10種競技元日本王者でタレントの武井壮さん(47)は、それでも前向きな気持ちを忘れずスポーツに携わり続けています。苦境にいるアスリートへのエール、来夏に延期された東京オリンピック(五輪)・パラリンピックへの思いを聞きました。

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 僕が初代監督を務めているサッカークラブ「One Tokyo」(プロサッカー選手の本田圭佑さんが設立し、東京都社会人リーグ4部)の試合もやっと7月から公式戦が始まりました。喜ばしい半面、選手や周囲にはまだ不安もあるのは確かです。

 残念ながら五輪は延期になり、スポーツ界全体も、なかなか前向きなことばかりは言いにくい時期です。ワクチンと治療薬が開発されるまでは、スポーツに限らず、社会活動全般があらゆる活動を制限されるだろうと思います。

拡大する写真・図版インタビューに答える武井壮さん=樫山晃生撮影

 正直、我々アスリートが率先して自粛するべきなのでは、と感じることもあります。試合がなくても社会に貢献できること、自粛の中でも充実した姿を見せることが一番の模範的な「カタチ」なのではないかと思う気持ちもあります。

 ただ、プロ野球やJリーグなどのプロスポーツは、観客数を制限するなど新しい在り方を模索していますし、そうやってスポーツ界から生まれたモデルケースが、社会に還元される流れができれば大きな力を生むのではないかとも感じます。

 五輪には多くの思い出深いシーンがありますね。例えば、鮮烈だったのは、2000年シドニー五輪の女子マラソンで優勝した高橋尚子さん。五輪で圧倒的な力を発揮したゴールシーンは「真の世界最強だ!」と思わせてくれました。その後の世界記録更新で、日本の陸上界全体が「世界と戦えるぞ」と一気に盛り上がったことを覚えています。

 この夏、そういった歴史的なシーンが生まれる機会を失ったのはすごく残念です。来夏に延期されましたが、ワクチンや治療薬の開発が間に合うか、十分にリスクを回避できる次善策を取れるかどうか。中止ということもありえるかもしれません。

拡大する写真・図版2000年シドニー五輪の女子マラソンで優勝した高橋尚子さん(左)と、指導した故・小出義雄さん

 しかし、観客を入れなかったとしても、チケットをキャンセルしなかった購入者のみが見られるグラウンドレベルの映像やリアルタイムのインタビュー動画、ウォーミングアップ風景や選手からのメッセージなどを含んだスペシャルサイトを用意するなどして、通常開催か中止の2択ではなく、完全な形ではなくても開催の可能性を探り続ける価値はあると思います。

 来夏、五輪が開かれれば最高ですが、たとえ開催されなくとも、それで人生が色あせるとはアスリートたちに思ってほしくないです。アスリートには、試合があろうとなかろうと成長できる、その姿を示す模範であって欲しいと思っています。

 そして五輪後も、競技人生が終…

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