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 山梨県は29日、新型コロナウイルスの感染防止対策で31日までを期限にしていた一部業種への休業協力要請を、1カ月延長して8月31日までにすると発表した。人混みや「3密」のある場所への外出自粛要請も続ける。長崎幸太郎知事が記者会見で明らかにした。

 県の休業要請は4月20日から始まり、当初は5月6日までだった。だが、感染拡大に伴い、今回を含めて5度延長され、4カ月を超えることになる。

 要請対象は引き続き劇場や集会・展示施設、カラオケや接待を伴うバー・スナックといった遊興施設など8業種で、感染防止策を講じれば個別に要請を解除する。県によると、29日時点で328施設が個別に解除された。

 知事は休業要請について、「苦しい道のりではあるけれども、感染拡大防止を徹底した上で、新しい経済・社会活動のあり方を実現したい」と述べ、事業者への協力を求めた。

 感染者と接触した可能性がわかるスマートフォンアプリ「COCOA(ココア)」の利用も要請した。県内では感染者の1人がこのアプリを利用し、接触した可能性があるほかの利用者に通知が届いているという。

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 緊急事態宣言が全国に広がり、大半の都道府県が休業要請をしたが、宣言解除後も続けるのは異例だ。

 近隣では神奈川、静岡、長野3県は5月中、東京都も6月18日で終了した。埼玉県は接待を伴う飲食店でクラスター(感染者集団)が発生したため、基本的な感染防止対策をしていない同種の店に限り、今月13日から再要請している。

 山梨県は、特定の業種全体に休業要請の網をかぶせる形は変えていない。

 長崎知事は「感染の第1波が過ぎた時に元の状態に戻したのでは進歩がない。対策が徹底した社会に移行しなければならない」と強調する。

 事業者からは要請が続くことに不安の声があがる。

 「補償もないのに店を休んでいたら生活ができなくなる」

 カラオケを備える甲府市内のスナックのママ(68)は嘆く。4、5月は休業したが、6月に営業を再開した。「休業は2カ月が限界だった。要請を続けるなら補償するべきではないか」(吉沢龍彦、玉木祥子)