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 昨今の豪雨による水害からは、人間と河川との付き合い方を考えさせられる。普段は穏やかに見える川が「暴れ川」に姿を変えることもあれば、水不足時に命の水となることもある。

 数ある川のうち、日本一長い川は信濃川(全長367キロ)。では日本一短い川は? 答えは、和歌山県那智勝浦町の粉白(このしろ)地区を流れる「ぶつぶつ川」だ。河川法に基づいて指定された川としては最も短く、全長13・5メートル、川幅は1メートル前後。水深30センチに満たない。

 2008年に2級河川に指定された。和歌山県河川課は「河川環境の維持保全には県で管理するのが好ましい。『日本一』とPRし、地域を活性化するために指定した」と説明する。

 国内の川は河川法に基づき、国管理の1級河川、都道府県管理の2級河川、市町村管理の準用河川に指定されている。ぶつぶつ川の指定までは北海道島牧村の2級河川・ホンベツ川(30メートル)、山形県真室川町の準用河川・東町塩野川(15メートル)が「短い川」だった。

 ぶつぶつ川は、近くにある玉の浦海水浴場に注ぐ粉白川の支流。1918年発行の「下里村誌」に「清泉を湧出(ゆうしゅつ)する泉あり、俗にブツブツと称す」と記され、上流の川底から沸々と湧き出る際に気泡がたつ様子から名付けられたらしい。

 住民らは指定を機に「ぶつぶつ川周辺を美しくする会」を作り、草刈りや清掃を続ける。「子どもの頃は水量も多く、海水浴の後に飛び込んで遊んだ」と近所で育った畑中利之さん(79)は振り返る。野菜や魚を洗ったり、飲み水をくんだりと、今も生活用水に使われ、憩いの場でもある。

 水温は年間を通じて16度前後。かつてはウナギやアユも確認された。2011年に台風12号の大水害で断水した時は、きれいな飲み水を求める人たちの行列ができた。近くの桑原暁一さん(72)は「水が途切れることはなく、ありがたい。命の水です」と話す。

 10年余り前から付近の自然環…

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