安田琢典
拡大する船体にあいた穴を毛布でふさぎ、杭を打ち込んで留める鳥羽海上保安部の潜水士=愛知県渥美半島沖、鳥羽海上保安部提供
6月18日未明、愛知県渥美半島沖で2隻の貨物船が衝突した。一方の船体に巨大な穴があき、大量の海水が流れ込む。沈没を免れない危機的な状況を前に、「海猿」の異名を持つ鳥羽海上保安部に所属する7人の潜水士たちは思い切った判断を下す――。
「本船の船首部が相手船右舷エンジンルームに衝突し、相手は浸水しているようだ」
午前2時55分。事故を起こした貨物船から118番通報が入る。自宅や官舎で就寝していたリーダーの本多裕介主任航海士(26)ら7人に招集がかかった。
拡大する衝突事故を起こし、沈没の危機にあった大型貨物船「POS YOKOHAMA」=愛知県渥美半島沖、鳥羽海上保安部提供
「状態を見てみないと分からないが、入電内容から差し迫った浸水ではないだろうと思っていた」と本多主任航海士は振り返る。
記事の後半では、緊迫の救助の様子を撮影した動画も紹介しています。
午前5時20分。7人を乗せた総員20人の鳥羽海保巡視船「いすず」が現場に到着する。船体に穴があいた大型貨物船「POS YOKOHAMA」(8306トン)に乗り込んだ嶋袋伊一機関士(36)は、目の前の光景に言葉を失った。
拡大する船体にあいた穴をふさぐため、海に飛び込んだ鳥羽海上保安部の潜水士=愛知県渥美半島沖、鳥羽海上保安部提供
穴の大きさは縦15センチ、横60センチ。
「滝のように水が入り込み、あ…
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