関根和弘
拡大する今こそ聞きたいDX デザイン・岩見梨絵
米国で始まった黒人差別に抗議するブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命は大事だ)運動が世界中に広がっている。ことの発端は5月、ミネソタ州ミネアポリスで起きた事件だ。黒人のジョージ・フロイドさんが白人の警察官に首を圧迫され死亡した。
なぜ米国では黒人が警察官に暴力を振るわれたり、殺害されたりする事件が後を絶たないのか。黒人が奴隷制から解放されたのはもう150年以上も前。その後もキング牧師が公民権運動を展開したり、オバマ氏が黒人初の大統領になったりするなど、差別解消が進んだはずではなかったのか。
「米国社会において黒人差別は根深い」。テレビの解説委員や専門家はよくそう言う。いやいや、私が聞きたいのはそんな紋切り型の言葉ではない。なぜ差別が根深いのか、なぜ民主主義の代表国でこんなことが許されているのか。人種問題に詳しい日本在住の黒人作家、バイエ・マクニールさん(54)に聞いた。
――ミネアポリスで黒人のジョージ・フロイドさんが警察官に首を圧迫されて死亡しました。それまでも米国では黒人が警察官に殺害されたり、暴行を受けたりする事例が後を絶ちません。なぜですか。
それを考えるには、まず米国における警察の成り立ちを知る必要があります。米国に奴隷制があったころ、南部には奴隷パトロールをする白人たちがいました。これは、逃げた奴隷を捕まえて所有者のもとに連れ戻すのが仕事でした。
記事の後半では、日本の黒人差別を指摘するマクニールさんのインタビュー動画がご覧になれます。
ご存じのように、当時の米国南…
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