総統直接選挙を導入し、台湾の民主化を進めた李登輝(リートンホイ)氏(97)が亡くなった。日本の植民地時代に生まれ、戦後の国民党独裁時代を生き抜き、民主主義や台湾人意識を社会に定着させようとした生涯は、台湾が背負った「悲哀」の近現代史を体現していた。

 「台湾の民主主義は、私たちの誇りだ」

 台北で2019年10月に開かれた、李氏主催のパーティー。足が弱り、車いすに乗って登場した李氏は、用意した原稿を家族に代読させた。統一を迫る中国にのみ込まれないよう、台湾の民主主義をさらに進めよう――。そんな願いが込められた演説だった。

 議会などに居座る終身議員・代表の廃止など国民党独裁時代からの旧弊を除き、1996年に総統直接選挙を実現した李氏は、「民主先生(ミスター・デモクラシー)」と呼ばれた。総統就任式の直前、朝日新聞との会見に応じた際は、台湾の運命は「この国のあるじ」が決めることだと述べた。台湾の人々が自ら政権を選べる制度が導入されたのは、台湾の歴史で初めてのことだった。

司馬遼太郎氏に語った「台湾の悲哀」

 李氏が在任中に語った「台湾人…

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