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 県内で新型コロナウイルスの感染者が急増している。30日も県と宇都宮市の発表で6人の感染が新たにわかった。県内で判明した感染者は191人。29日には16人の感染者が発表され、1日の新規感染者は初めて10人を超えた。家庭内で感染が広がるケースも相次いでいる。

 29日に10人の新規感染を発表した宇都宮市。佐藤栄一市長は30日の会見で「第2波の予兆といえる状況」と危機感を示したが、外出の自粛要請や施設の利用制限などの対応は現段階では考えていないと語った。

 政府の「Go To キャンペーン」について問われ、「少し勇み足、早いんではないかという感触は受けた。十分に時間をかけて実行していった方が良かったのではないか。開始された以上、個人の責任で注意を払うしかない」と語った。

 市によると、10人のうち7人は、28日夜に陽性が分かった60代女性の60代夫と娘家族4人、同僚2人。60代女性が発症した日に30代の娘夫婦と未就学の女児2人が女性宅を訪ねていた。同僚2人は40代男性で、1人は県外在住で60代女性よりも発症が早かった。市が感染経路を調べている。

 20代の女性従業員が感染したキャバクラ店「リンダ」(同市本町)に出入りしていた30代男性のほか、感染経路不明の40代男性2人の感染も確認された。

 市は30日にも3人の感染を確認したと発表した。29日に陽性が判明した40代男性の30代妻と10歳未満の男児、さらに30代男性の感染もわかった。(中村尚徳)

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 県は29日に6人、30日に3人の新たな感染者を発表した。29日に判明した日光市の女子中学生、茨城県内の70代男性と60代女性はクラスター(感染者集団)となった日光市の鬼怒川温泉街の「ラーメン居酒屋 八海山」を起点にした感染だった。

 女子中学生は26日に感染が判明した中学生と同じ部活動に参加していた。70代男性は感染した八海山従業員と12日夜に鬼怒川温泉街の「スナックけんじ」を利用し、60代女性も居合わせていた。「けんじ」には八海山の別の従業員(感染者)の義母で感染者の70代女性が勤務している。

 県は12日の「けんじ」利用客に県西健康福祉センター(0289・62・6225)や最寄りの保健所に相談するよう呼びかけている。

 鹿沼市の70代と30代の男性の感染も判明。2人は23日に感染がわかった20代女性の祖父と兄で、家庭内の感染は6人になった。益子町の70代男性も感染した。

 30日に感染が発表された那須塩原市の90代女性と40代男性は、祖母と孫の関係。2人は20日に孫の市内の職場で会ったという。もう1人は矢板市の20代女性。

 県内では14日に感染者が100人を超えたが、この半月でさらに80人以上に感染が広がった。3カ月半前に100人を超えた群馬県を29日の時点で上回った。

 県は28日に警戒度を3段階で真ん中の「感染拡大注意」に引き上げたが、県民に外出の自粛は求めていない。政府や県の観光振興策「Go To トラベル」や「県民一家族一旅行」も進めている。

 最終的に29日に判明した新規感染者は17人に達した。直近1週間の累計も45人で、ともに過去最多となった。福田富一知事は「家庭内での感染にも注意を払っていただきたい」とコメントを出し、これまでの感染防止対策の徹底を求めた。(池田拓哉)