憲政史上最長となった政権が、幕を引くことになった。7年8カ月にわたり、永遠かとさえ思わせた「安倍時代」。日本社会の底流にあったものとは何だったのか。哲学者の千葉雅也さん(41)に聞いた。
安倍政権の政策や姿勢の評価は、安保法制、アベノミクス、森友問題など、それぞれ多様でしょう。
本格的な言論活動を同時期に始めた僕自身にとっての関心は、非常に大衆的な政権であったことです。
大衆に近づくアピールに熱心だった安倍政権。影響は言論や知の世界でも反映され、千葉さんは「知識人やメディアが、多数派に忖度しているように思えてなりません」と指摘します。千葉さんが考える「新たな像」とはーー。
大衆感情に即した政策を次々…