みそ煮込みうどん、まさかの冷やし 独自製法で矛盾打破

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千葉卓朗
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 名古屋めしを代表する「みそ煮込みうどん」の既

成概念を打ち破るメニューが、猛暑の続く名古屋の「めん処 吉野屋」で人気を集めている。味も見た目もインパクト抜群の「冷やしみそ煮込みうどん」だ。

 土鍋に盛られたうどんの上には、ダシの染みた煮卵、油揚げ、かまぼこ。見た目はみそ煮込みうどんなのに、ぐつぐつ煮立つ音もなく静かにたたずみ、赤茶色のスープには涼しげな氷が浮かんでいる。キンキンに冷えたスープを一口すすると、やや甘めのみその香りが広がり、濃厚なうまみが追随する。コシが強めの麺には味が染み込み、ネギの香味と相まって箸が進む。店長の畔柳謙一郎さん(51)は「ここまで来るのに、2年以上かかりました」。

 きっかけは一昨年、常連客の「みそ煮込みを夏も食べたいけど、汗をかいてしまう」という一言だった。「だったら冷やせばよい」と、みそ煮込みうどんを氷で冷やして食べてみた。しかし結果は、「まずかった」。スープはみそ特有のにおいが強く、うまみがない。麺は真っ白のままで、味が染みていない。熱々のみそ煮込みうどんは、ぐつぐつ煮立った状態で客に出し、食べている間に完成する料理。一方の「冷やし」は、味も食感も完成した状態で提供しなければいけない。同じみそ煮込みでも、全く異なる調理が必要だと気づいた。

 みそ煮込みのスープは通常、赤みそで作るが、冷やした時に強まる特有のにおいを抑えるために、白みその配合を多めにした。うまみは冷やすと薄まるため、ダシに使うアジとカツオの量を通常の倍にしてコクを出した。具は、このスープで煮込んだ後、冷蔵庫で冷やす。

「煮込み感」を出すために…

 問題は、どうやって麺にスー…

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