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 トランプ米大統領は7月31日、中国企業バイトダンス傘下で、若者を中心に世界的に人気の動画アプリ「TikTok(ティックトック)」について、近く「米国での使用を禁止する」と述べた。中国への情報流出など安全保障上の懸念を理由とした措置。コロナ禍で急成長するティックトックには大きな打撃で、米中関係の新たな波乱要因となる。

 トランプ氏が31日夜、大統領専用機で記者団に語った。ティックトックの差し止めは、大統領令などで対応できると説明。中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)などへの規制にも用いてきた手法だ。これに先立ち米メディアは、米マイクロソフトがティックトックの買収協議に入ったと報道。仮に実現すれば、安保上の懸念を和らげつつ米国での使用継続の道を開く方向となり、米中を中心とした巨大IT企業の競争の構図にも大きく影響する。だが、トランプ氏は米企業による買収には賛同できないとの姿勢を示した。その後、ロイター通信は1日、バイトダンス側は米国事業をマイクロソフトなど米企業に売却することを決めたと報じた。

 米当局は、ティックトック急成長の契機となった米動画アプリ「ミュージカリー」の2017年の買収について、安保上の審査を進め、今週内にトランプ氏に報告する予定だった。

 トランプ政権はCFIUSの権限を強化し、3月にも、情報システムを販売する中国企業に対し、買収した米企業の売却を命じていた。大統領令の乱用に対する批判はあるものの、データを巡る中国への強硬姿勢については立法機関の米議会も歩調を合わせている。(ワシントン=青山直篤)